人間関係

混迷の某国から人間関係について考察した備忘録。

動植物との人間関係

ペットは家族、といってみたりするように、動物を、ときには植物を擬人化して、人間と同列に、ときに人間以上に扱うことがある。

 

人間だけが特別だ、という考えはひとつの考えで、動物も植物もすべて生き物だから同列だ、という考えもある。ただし、動物を擬人化している人たちのほとんどは、ある特定の動物や、特定の動物の中で自分が飼っているものだけに愛着をおぼえていて、そのほかの動植物を食べたりすることには、とくに問題がないようだ。

 

だから、ペットやある種の動物だけを特別視する人たちは、差別主義者でもあると思う。そして、ペットは家族、であれば、家族はペット、も同様なので、人間との関係性が一方的な支配関係であることを望んでいることになる。愛玩動物は、むこうには選択肢はない一方的な関係だから、人間たちが自分のさみしさを紛らすために、人間の都合で飼っているということは、忘れないほうがよいだろう。首に鎖をつけたり、家に閉じ込めておくのが愛情なら、監禁も愛情になる。ペットは家族、という人とは、深く人間関係を築ける気がしない。

 

気持ちが病んでくると人間よりも物言わぬ、従順で、弱い動物を友とするようになり、動物でさえ思い通りにいかないと、植物を友とするようになるともいう。植物はただ生きているだけで、文句もいわないし、邪魔くさいこともしない。人間の代わりではなく、ほんとうに人間を捨てて動物や植物を友とするならば、それはきっと、人間社会で生きるよりも、ずっと心が慰められるかもしれないし、動物や植物はなにも理解してくれないので、ただ空しくなるかもしれない。